国家一般職試験で捨て科目を作っても大丈夫ですか?
大丈夫だよ。むしろ捨て科目を作って無駄を省くことが大事なんだ。
国家一般職試験を受けようと思っているけど科目数が多くてどこから勉強すればいいか途方に暮れているそこのあなた。国家一般職の捨て科目を作っても大丈夫なのか?大丈夫ならどの科目か、知りたいですよね。
結論からいうと、教養試験の知識分野と専門試験の一部の科目は捨て科目にしても大丈夫です。
・教養試験の知識問題
・専門試験の法律系・経済系以外の科目
捨て科目を作れば無駄を省いて国家一般職に合格することが可能になります。でもそのためには効率的な勉強方法を知る必要があります。
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国家一般職の捨て科目を知るにはまず試験形式を知ろう
国家一般職試験ってどんな形式なんですか?
筆記試験の1次試験と面接の2次試験があるんだ。
国家一般職採用試験の試験科目
国家一般職の採用試験は次のような構成になっています。
試験 | 試験種目 | 配点 | 内容 |
1次試験 | 教養試験 (5肢択Ⅰ式) | 2/9 | 〇公務員として必要な基礎的な能力を測るための筆記試験 ・知能分野27題:文章理解11、判断推理8、数的推理5、資料解釈3 ・知識分野13題:自然・人文・社会(時事を含む) |
専門試験 (5肢択Ⅰ式) | 4/9 | 〇専門的な分野の知識を測るための試験 経済学、行政学、憲法、行政法など16科目(各5題)から8科目を選択、計40題 | |
一般論文試験 | 1/9 | 文章による表現力、課題に対する理解力などを測るための論文形式による筆記試験 | |
2次試験 | 人物試験 | 2/9 | 人柄、対人能力などについての個別面接 |
国家一般職の採用試験は筆記試験の1次試験と面接の2次試験があります。
2次試験は面接ですから捨て科目を設定するのは筆記試験の1次試験の中のどれかということです。
・捨て科目を設定するのは1次試験の科目
1次試験は教養試験と専門試験がありますが、配点が高いのは専門試験です。
ですから国家一般職試験に合格するためには専門試験を重視する必要があります。
専門試験の配点は教養試験の2倍です。
そうは言っても、教養試験を無視するわけにはいきません。要はバランスの問題ですね。うまくバランスをとりながら捨て科目にできる科目を決める必要があります。
国家一般職試験でどうやって捨て科目を決めるか
国家一般職試験で捨て科目はどうやって決めればいいんですか?
教養試験と専門試験で決める基準が違うんだ
国家一般職試験でどの科目を捨て科目にするか決めるときに教養試験と専門試験は違う基準で決めます。
教養試験は出題数と配点です。同じエネルギーを二つの科目に注ぐとしたら、出題数の多い科目を勉強した方がいいですよね。ですから、国家一般職教養試験の捨て科目を決めるには出題数と配点が少ない科目を選べばいいということになるんです。
また、専門科目は必須科目の法律系・経済系以外の科目で不得意な科目は捨て科目にしてOKです。
捨て科目を決める基準
教養試験:出題数と配点
専門試験:法律系・経済系以外の科目で不得意な科目
その観点からどの科目を捨て科目にするべきか教養試験と専門試験に分けて見ていきましょう。
国家一般職の教養試験の捨て科目は知識分野
まずは教養試験から見ていきます。
教養試験は知能分野と知識分野がありますが、2023年まで出題数が40題。そのうち知能分野が27問、知識分野はわずか13問と知識分野の出題数が少なかったです。
しかし、2024年に次のように試験形式が変更になり知識分野は出題割合がさらに減りました。
2024年の試験形式の変更点
変更前:全40問 変更後:全30問
知能問題 27問 知能問題 24問
知識問題 13問 知識問題 6問
ご覧のように知識分野の出題はわずか6問。内容的にも歴史、文学・芸術、政治、法律、経済、物理、化学など非常に広い範囲でしたが、時事問題を中心にした出題になります。
ですから普段から時事トピックに関心を持ってニューズや新聞などをチェックしておけばよく、特別な勉強をしなくても対応することが可能なので捨て科目確定です。
国家一般職の専門試験の捨て科目は主要分野以外
次に専門試験について考察していきましょう。
国家一般職の専門試験は次の全16科目で各科目5問の5肢択一方式です。
国家一般職の専門試験は科目選択なので、16科目の中から好きな8科目を選び1科目5問づつ回答して計40問になるというわけです。
ですから、選ばなかった科目は回答する必要がありません。ですからこれが捨て科目になります。
では、どの科目を選べばいいのか解説します。
法律系・経済系は捨て科目にはできない
16科目のうち捨て科目にできないのが、
・法律系:憲法・民法1・民法2・行政法
・経済系:ミクロ経済・マクロ経済・財政学
の7科目です。
理由は次のとおりです。
法律系・経済系科目を捨て科目にできない理由
- 出題数が多い。
- 地方上級とかぶっている科目なので併願対策にも有効。
- 出題パターンが決まっているので勉強しやすい。
国家一般職専門試験はまず法律系・経済系を重点的に勉強しましょう。
国家一般職の専門試験は大胆に捨て科目を決めよう!
残りの1科目はどうやって決めればいいんですか?
得意、不得意で決めていいよ。
法律系と経済系で7科目になりますからあとの1科目はどうすればいいのか。それは簡単です。
単純に得意か不得意かで選びましょう。教育学部にいた人なら教育学、英語が得意なら英語基礎がおススメです。
結果として選ばなかった科目が捨て科目になります。
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国家一般職試験の効率的な勉強法
捨て科目が決まったら国家一般職試験の勉強を始まるわけですが、いくら捨て科目を作っても勉強しなければならない範囲は膨大です。
ですから少しでもラクに合格できる効率的な勉強法を基礎能力試験と専門試験に分けて紹介します。
国家一般職教養試験の勉強法
まず国家一般職教養試験の効率的な勉強法を紹介します。
国家一般職教養試験の内容
国家一般職試験教養試験は知能問題と知識問題で構成されていて知識問題は捨て科目にするということはすでに言いましたね。
ですからここでは知能問題の勉強法について解説します。
知能問題は数的処理と文章理解に分かれています。2024年からの制度変更で出題数が40問から30問に減ったので数的処理と文書理解の問題数は次のようになっています。
ご覧のように数的処理の出題数が多いので、知能問題を攻略するためには数的処理に重点を置くことがポイントになります。
数的処理といっても別に高等な数学の知識がいるわけではありません。中学校レベルの計算能力があれば十分対応できるので、効率良く勉強すれば合格点を取ることができます。
数的処理には次の3分野がありますのでそれぞれ詳しく解説します。
判断推理は、コナン君のような推理力が求められる
判断推理とは、与えられた条件から誰が嘘をついているかとか、どんな順にならんでいるのかということを推理する問題です。まるで刑事ドラマの犯人捜しのような問題です。
具体的に実際に出題された問題を解いてみてください。制限時間は3分です。
問題1.
ある事件の犯人として、A~Eの5人の容疑者が取り調べを受け、次のように供述した。
A:「私は犯人ではない」
B:「Dが犯人だ」
C:「Bこそ犯人だ」
D:「Aの言っていることは本当だ」
E:「Bは嘘をついている」
ところが、5人のうち1人だけが嘘をついていることが後でわかった。犯人は5人のうちだれか。ただし、犯人は1人だけとする。
どうですか、できましたか?
犯人はBです。なぜBが犯人なのかよく考えてくださいね。正直言うと私は、一応解けましたが3分以上かかりました。
もう1題解いてみてください。次はもっと難しいですよ。名探偵コナン君になったつもりで解いてみてくださいね。
問題2.
A~Dの4人が円いテーブルを囲んで歓談をしている。4人はそれぞれ国籍が異なり(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ)、それぞれ異なる色(青・赤・黒・白)の帽子をかぶっている。次のことがわかっているとき、確実にいえることとして妥当なものはどれか。
ア.Aの右側の人は黒の帽子をかぶっており、左側の人はフランス人である。
ィ.Bの右側の人はイギリス人であり、左側の人は赤の帽子をかぶっている。
ゥ.Cの右側の人はアメリカ人であり、左側の人は青の帽子をかぶっている。
エ.Dの右側の人は白の帽子をかぶっており、左側の人はドイツ人である。
1.Aは赤い帽子をかぶっている。
2.Bはフランス人である。
3.Cはドイツ人である
4.ドイツ人は黒の帽子をかぶっている。
5.イギリス人は白の帽子をかぶっている。
できましたか?問題1より難しいかったんじゃないでしょうか。正解は4です。
こんな問題解ける気がしません‥
大丈夫だよ!きちんとした勉強をすれば解けるようになるよ。
判断推理の勉強法
本試験ではこのような問題を3~4分で解かなけばなりません。そんな短時間で解答にたどり着くには、
・問題を見てすぐに解法パターンを思いつく。
・図や表などを素早く書くことができる。
ことが要求されます。
そのためには、知識と反復練習が欠かせません。判断推理には問題の種類がいくつかありますから、それぞれの問題の解法パターンを覚えて何度も繰り返し問題を解くようにしましょう。
捨て科目を作ったことでそのための時間は確保されているはずです。面倒くさいと感じることもあるかもしれませんが国家一般職に合格するために頑張りましょう。
数的推理は、基礎的な計算力を磨け
数的推理は、濃度、速さなど中学・高校で学習した数学の応用問題のような問題が出題されます。高校入試の数学の問題って感じです。
基本的な速さの公式や単純な掛け算、割り算を素早くできる能力が必要です。こんな感じの問題がでますからチャレンジしてみてください。
正解:2
どうですか、できましたか?「数学の応用問題は嫌い」っていう人は結構多いと思います。でも、解法のパターンを覚えて何回も練習すればできるようになりますから頑張ってくださいね。
資料解釈
資料解釈は表やグラフを見て与えられた選択肢から正しいものを選ぶという科目です。出題数は3題と少ないのですが、判断推理と数的推理に比べ問題のパターンが一つしかないので、確実に押さえておきたい科目です。
正解:4
資料解釈は、問題文を注意深く読む読解力とパーセントを素早く出すための計算力があれば数的推理と判断推理に比べて取り組みやすい科目です。割り算と概算の仕方を勉強しておくといいですよ。
数的処理の攻略法はこれ!
数的処理の勉強はどうやればいいんですか?
次のようなことを心掛けてやるといいよ。
数的処理が重要なのはわかったけど、数学は苦手で嫌いという人も多いかと思います。そんな人は次のようなことを心掛けて勉強しましょう。
毎日やる
過去問を1問あさイチ、起きてすぐやりましょう。大脳生理学的に数学系の問題は朝やるのが最も効率的だといわれています。「習うより慣れろ」というのが数的処理ですからここは数稽古をするのが効果的です。
実は暗記科目
「えっ、なんで」と思う方もいると思いますが数的処理は実は暗記科目です。大学入試までの数学はすべて暗記科目だという声もあります。
じゃ、何を暗記するかというと、「解法のパターン」です。数的処理の問題にはいくつかの決まったパターンがあります。ですから、それぞれの問題のパターンごとに解き方を暗記しておけば試験の時に、「あっ、この問題はあのパターンだな」と冷静に対処することができるようになります。
繰り返すたびにスピードアップを図る
解法パターンを覚えてある程度問題が解けるようになっていたら、次はスピードアップを図りましょう。数的処理は作業効率を測るための試験です。ですから試験本番で1問当たりにかけられる時間は非常に短いです。
ストップウォッチを用意して、時間を測って繰り返すたびに短い時間で問題が解けるようにしましょう。
基礎的な計算力は重要
数的処理の問題を解くためには基礎的な計算力は必須です。「今さら、基礎に戻るなんて‥」と抵抗のある方もいるかもしれませんが、最近の大学入試では数学なしでも受けられる学科があるので、分数の計算や小数点の処理などが苦手な人が結構いるんじゃないかと思います。
限られた時間のなかで数的処理の問題を解くためには速く正確に計算する能力が欠かせません。計算ドリルなどを使って基礎的な計算問題を練習したり、普段の生活の中(例えば買い物など)で電卓を使わず暗算をする習慣をつけるのもいいでしょう。
国家一般職専門試験の勉強法
次に国家専門職試験の効率的な勉強法について必須科目の法律系と経済家に分けて解説します。
法律系は公務員にとっての必須科目
公務員にとって法律の勉強は必須です。
じゃあ、頑張って勉強しないとだめですね
国家一般職専門試験の法律系の科目は、次の4科目です。
・憲法、民法1、民法2、行政法
法律の勉強というとなじみがないかもしれませんが、法律に基づいて仕事をする公務員にとって法律の勉強は必須です。それにやってみると意外と馴染みやすいので頑張って勉強しましょう。
① 憲法は法律科目の入門
憲法は法律科目の入門として最適な科目です。憲法はそもそも中学の社会科で習っているので真面目に社会科の授業を受けていた人には、なじみがあるので取り組みやすい科目です。
それにほかの法律と違い条文が108条しかないので短期間で完成させることができます。択一問題のひっかけポイントがわかりやすく出題パターンが決まっているので過去問を何度も解いて身に付けましょう。
憲法を勉強すると政治ニュースがわかるようになるので面接試験で政治的な質問をされても的確な答えができるようになるのでしっかりと勉強したいところです。
② 民法はコスパがいい
民法は勉強すれば2科目分になるのでコスパがいい科目です。日常起きそうなトラブルの解決策が書いてあるので意外ととっつきやすい科目でもあります。
身近な法律例を考えると面白くなって深入りしてしまうこともあるくらいです。ただボリュームが憲法の10倍ほどあるので効率的に勉強しないと時間がいくらあっても足りなくなってしまいます。
そのためには、
・ポイントを押さえて勉強する
・民法の価値観をつかむ
・定期的に過去問に触れる
このようなことが大切です。
ポイントを押さえて勉強する
民法は条文だけで1040条、そこにいろいろな解釈や判例などが入ってきますから膨大なボリュームがあります。ですから、とてもじゃないですがすべて暗記することはできません。
ですから、各分野にあるコアな部分をまず押さえることが大切になります。木を見ずに森を見るということです。
でも、どこがコアの部分なのかわからないという声も聞こえてきそうです。そんなときは経験豊富なアガルートの先生がどこを押さえておけばいいか教えてくれますよ。
民法の価値感をつかむ
民法は社会生活の中でもトラブルの解決策を示す法律です。ですから一般常識的に考えて、こんな時はこうすべきだという民法の価値観というものがあります。
例えば、人にあげる物はあげるまで大切にするとか、人から預かったものは傷つけたてはダメだとかです。過去問を解いてそういった民法の価値観をつかめばすべての条文を暗記しなくても、5択のなかから正解を選べるようになります。
定期的に過去問に触れる
人間の記憶は翌日には9割程度覚えていますが翌々日になると5割程度とガクンと落ちるといわれています。ですから定期的に過去問に触れて記憶の定着を図りましょう。
一通り民法のインプットが終わった後、次の科目のインプットと並行しながら3日に1回程度、時間的には10分程度でもOKです。
③ 行政法は得点源になる
行政法は各省庁が業務を遂行するために制定された法律の束で行政法という名前の法律はありません。お役所が使う普段使わない言葉が出てくるので最初はとっつきにくいですが、勉強していけば得点源になる科目です。
得点源になる理由は、
・単純な用語の意味がでる
・出題パターンが決まっている
・行政救済法分野だけで半分(行政法分野は組織法、作用法、行政救済法の3分野)
・全体的に難易度が低い
というようなことです。
対策としては、とにかく過去問を繰り返し読むことです。出題パターンが決まっているので何度も繰り返し過去問を読むことで用語の意味なども頭に入ってきます。
経済系は最終的には得意科目になる
国家一般職専門試験の経済系の科目は、次の4科目です。
・ミクロ経済・マクロ経済・財政学・経済事情
経済って聞いただけで頭が痛くなりそうなんですけど‥
大丈夫!経済科目は最終的には得意科目になるんだ。
経済科目は一見難しそうに感じますが、安心してください。最終的には得意科目になったと多くの受験生が言っています。
経済科目は頻出分野が決まっているので暗記することが少ないんです。それに経済科目で使う簡単な計算ルール、例えば指数、分数、%の計算など中学校で習った程度の計算の仕方がわかればOKです。
ポイントを押さえて暗記して、計算の練習をすれば得意科目になりますよ。
捨て科目を作って国家一般職に合格しよう
ということで、今回は国家一般職試験の捨て科目について解説してみました。結論として国家一般職試験の捨て科目は次のとおりです。
・教養試験の捨て科目は知識分野
・専門試験の捨て科目は主要7科目+得意科目以外の科目
国家一般職試験の試験範囲は広範囲にわたり内容的にも膨大な量になるのでどこから手を付けたらいいものか途方に暮れてしまうこともあるかと思います。しかし大胆に捨て科目を作って効率的に勉強すれば合格への道が見えてきます。
そうはいっても、長い試験勉強を孤独に耐えながら一人で続けるのはとても難しいことです。時には孤独に耐えかねて挫折しそうになることもあるかもしれません。
そんな時にあなたに寄り添い的確なアドバイスを与えてくれるのがアガルートの経験豊富な先生方です。アガルートには国家一般職試験を知り尽くしたプロの先生方が揃っています。
その先生方の指し示した道を突き進んで合格の喜びをつかんでください!
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